何が出てくるか、お楽しみ

OMOCHI”おもち”タオル(浅野撚糸)

OMOCHI”おもち”タオル(浅野撚糸)

Q:糸に究極の軽さと吸水性をもたらす「無数の空洞」はどのようにして作られるでしょう?

「OMOCHI”おもち”タオル」
こちらは私が設立した新会社「日本機能性衣料株式会社」の「B4a」ブランドの商品です。
原価で仕入れられる分、今回のフォーチュンボックスでのお届けが実現しました。

日本機能性衣料株式会社はこれから商品群を増やして行きますので、ぜひ名前だけでも覚えておいていただけましたらうれいしいです。
また、今回はパイルだけではなく、パイルのベースになる生地部分も含めて、正真正銘のオールオーガニックのタオルです。もちろん製造コストはかなり上がりますが、今回は「すべてオーガニックであること」にこだわってみました。
じつは、フォーチュンボックスをきっかけに「自宅のタオルを順次オーガニックのものに変えていっている」というお客様も大勢いらっしゃいます。日々の暮らしのちょっとした変化のきっかけとなれたことは本当に光栄でありがたいことだと思っています。

さて、日本の繊維産業と言えば、生産拠点が海外へと移転し、衰退する産業の代表として語られるほどです。
繊維産業が衰退しても「私たちに損害はない」「むしろ衣服やタオルが安くなってうれしい」と考える人は多いと思います。ですが、繊維産業が衰退するということは、「数々の名機とそれを作るノウハウが失われていく」ということなのです。
日本の繊維産業を支えてきたのは織機などの機械ですが、現実にはそれらを開発する高度な技術やノウハウも廃れてしまう、ということになってしまっているのです。
良いものを作るには時間や手間がかかります。つまり、お金がかかるということです。お金が流れ込んでこない業界にはノウハウは維持できません。知識、経験を持った技術者が育たない(育てても生活していけない)からです。後継者が出てこなくなると機械が壊れても直せなくなります。

タオルなどの生地を作るときの糸をねじり合わせる、糸を撚(よ)ることを「撚糸(ねんし)」といいます。複数の糸が束になって丈夫に均一になります。
ここにもノウハウがあり、たとえば短時間で強く撚るとしっかりした糸ができるのですが、どうしても堅くなり、さわり心地も吸水性も悪くなります。安いタオルはこうした糸で、短時間で大量に作られます。タオル自体の密度も隙間が多く、使い心地や吸水性も悪くなります。
それに対して、時間をかけて柔らかく撚ると、さわり心地もふんわりして、吸水性もよくなります。ほかにもさまざまな技術を駆使して、使い心地が良く、さらに機能性や耐久性も兼ね備えたタオルができます。

多くの人が「仕方がない」と諦めて、衰退していると言われる産業の中にも、「なんとかしなければ!」と立ち上がる人々はいます。浅野撚糸株式会社もそのうちの一社です。
ほかにはない撚糸の開発に取り組むことで撚糸業の起死回生を図ろうとしたのです。
ゴムもだめ、藁もだめ、鉄もだめ、紙もだめ、と、本当にさまざまなものを糸に加工して、何か付加価値のある糸(撚糸)ができないか試していきます。

そして、3年ほどかけて「スーパーZERO」という魔法のような撚糸ができました。
糸を特殊な水溶性の糸と一緒に撚り、あとから水溶性の糸だけを水に溶かすことで、糸同士の隙間ができ、全体にふんわりと膨張します。

その無数の空間のおかげで、
・ボリュームがあるのに、軽い
・触れるだけでぐんぐん吸水していくほど吸水性が高いのに、乾燥も早い
・とにかく異様に柔らかいのに、毛羽落ちが極めて少なく長持ち
・しかも何度も洗濯してもふんわり感が持続
(柔軟剤では繊維の間がコーティングされるので本当のふんわり感は出ません)
というタオルにしたときに魔法のような機能を持つ撚糸「スーパーZERO」が誕生しました!
……が、じつは開発はすんなりとは終わりませんでした。

当初はタオルメーカーがとても扱いづらい縮れた糸だったため、スチームできる機械に改造を重ね、ようやく「スーパーZERO」にアイロンをかけることに成功しました。
これには約2年の歳月、4,000枚以上の試作を重ね、結果として取得した特許は7つになりました。
繊維業の衰退により、撚糸機(糸を撚る機械)やスチーム機を製造している国内工場はもうどこにもなくなり、国産のものを探そうと思えば中古を買うか、または他社から譲り受けるしかないそうです。

もちろん海外製のものを輸入して使用したこともあるそうですが「精密さも違うし、そもそも微調整などが難しくて国産のものには勝てない、日本の技術はすごい」とおっしゃっていました。
ちなみに浅野撚糸さんには今稼働している1号機と予備の2号機しかなく、これがなくなってしまったら全ての業務がストップしてしまうそう。
こうして誕生し、「エアーかおる」シリーズと名付けられた浅野撚糸さんの伝説のタオルは、衰退産業に携わる人々を勇気づけ、ものづくり関連の賞をいくつも受賞しました。

さて、今回お届けしたタオル。何が特別なのでしょう?
もちろんオーガニックコットンの「スーパーZERO」を使用しています。
ここからがもっと特別なのですが、なんと、史上もっとも贅沢に「スーパーZERO」を使ってくださったのです!一番の極太糸を、非常に長いパイルで、今までで一番高い密度で編み込んで、面積当たりもっとも「スーパーZERO」をたくさん使ったタオルが「おもちタオル」です。商品名は、まるで「おもち」のようなボリューム感ときめの細かさを表現しました。

もちろん、普通のタオルと比べものにならないくらいの時間、製造コストがしっかりとかかっています。
お風呂上がりなど、体を拭くというより「なでる」ようにするだけですぐに乾いてくれますので、敏感肌の人や冬場などは本当に助かります。髪の毛の乾きも非常に早いです。

まさに「新しいタオルがある生活へようこそ」と言いたくなる、今までになかった逸品をこのように皆様にお届けすることができ、本当に光栄なことだと思っています。

「フォーチュンボックス号外版 在庫調整SP2023」商品説明文

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