一本釣り本枯節パック(血合いあり/血合い抜き)(山吉國澤百馬商店)
Q.鰹節には「荒節」「枯節」「本枯節」がありますが、何が違うでしょう?
「一本釣り本枯節パック(血合いあり/血合い抜き)」
日本鰹節協会主催の全国鰹節類品評会で農林水産大臣賞を2回受賞している山吉國澤百馬商店さん(鹿児島県指宿市)の「本枯節(ほんかれぶし)」2種類です。
いきなりですが、弊社の仕事をリモートでお手伝いしてくださっているTさん(京都府在住)に試食してもらったときの感想を紹介します。
「たまたまTVで本枯節が製造工程から紹介されていて、それを見た次の日に家族でいただいたので、もう感動しまくりの美味しさでした!タレントさんがめっちゃおいしい!と言ってたいので、すぐに食べたくなりましたが、白ごはんと食べたかったので、その日は我慢しました。
白ごはんの上に醤油のみでいただいてみましたが、子供たちもあまりの美味しさにご飯が速攻でなくなりました。くせがなく、美味しい味しかしない鰹節という感じでした」
普通の鰹節とは違い「くせがなく」とはどういうことでしょうか?続きを読んでいただければわかると思います。
そもそも「鰹節(かつおぶし)」の味は「鰹の漁法」と「製法」で決まります。
鰹節の製法としては3種類あり、その中でも一番贅沢なのは「血合い抜きの本枯節」ということになります。
1.「荒節(あらぶし)」
・かつおの身を煮て旨味を閉じ込め、燻(いぶ)して乾燥させたもの。水分は25%ほどで、製造日数は20~30日ほど
・やや魚臭く、えぐみが残り、コクが少ない
・削ったものは「花かつお」とも呼ばれ、流通しているほとんどの鰹節がこれ。
2.「枯節(かれぶし)」
・「荒節」の表面の脂肪分など雑味の原因となるものを削り落として、カビ付けと天日干しを2回以上繰り返して発酵、熟成し、旨味を引き出したもの。水分は20%ほど
・魚臭さやえぐみはほとんどなく、豊かなコクが生まれる
3-1.「本枯節(ほんかれぶし)」
・「枯節」からさらにカビ付けと天日干しを繰り返して発酵、熟成させる。水分は15%程度。製造に半年以上かかることもある
・魚臭さがなく、味に深み、芳醇な香りがある
・血合いを含む(鰹節の赤っぽい部分)
※カビ付けしたカビは削り落とします
3-2.「本枯節 血合い抜き」
・本枯節と製造工程はほとんど同じ。血合いの部分を抜くため、味のクセ、雑味がさらになくなり、煮だしたときのだし汁も澄んでいる。
ちなみに鰹節には必須アミノ酸をはじめ、驚くほどのさまざまな栄養素が含まれています。本枯節の方が荒節よりもDHA、EPAが多くなっています。
さらに、今回お届けしたものは「かつお本体の漁法」からこだわっています。
遠洋巻き網船漁のかつおは塩水につけて凍結された状態で水揚げされるため、鮮度が落ちて塩気が強くなります。
山吉國澤百馬商店さんが原料とするかつおは、近海一本釣り鰹。新鮮な生の状態で水揚げされ、魚体は美しく見詰まりが良いそうです。
また、同じ「本枯節」でも、機械で大量生産、効率化を進めた製造工程のものと、山吉さんのような人の目で見極めながら作る少量生産品ではどうしても味が変わるそうです。
今回は「一本釣り」+「本枯節」という最高ランクの鰹節(削り節)をお届けします。食べ比べをしていただくために「血合いあり」と「血合い抜き」をお届けしました。
「血合いあり」は鰹独特の旨味がありますで、味噌汁や煮物などのだし取り、サラダやお好み焼き、うどん、そば等のトッピングにもおすすめです。
「血合い抜き」は、高級料亭などで使われています。くせのない旨味と香りが特長ですのでお吸い物用のだし、温かいごはんやTKG(たまごかけご飯)、おひたしなどにトッピングしていただくのがおすすめです。
いずれにしても、どの鰹節がいいかはお好み次第だと思います。ですが、昔から発酵や熟成の作用を利用して味を高めてきた知恵を感じられると、日頃の料理もよりおいしく感じられると思います。
テレビ番組の「芸能人格付けチェック」のように、ご家族などと目隠ししての食べ比べをしてみても楽しいと思います。