「確率思考の戦略論」181119

<勉強になった内容メモ>

・プレファレンスとは消費者のブランドに対する相対的な好意度(簡単に言えば「好み」)のことで、主にブランド・エクイティー、価格、製品パフォーマンスの3つによって決定されている

・「市場競争とは、1人1人の購入意思決定の奪い合いであり、その核心はプレファレンスである」という心理にたどり着く。それゆえ、市場競争において、企業は消費者のプレファレンスを上げることに経営資源を最大に集中すべきなのである。購入回数を増やせばビジネスは伸ばせるように思いがちですが、購入回数自体も実はプレファレンスによって定まる要素である。やはり、プレファレンスと関係なく購入回数をコントロールすることはできない

・市場構造にはコントロールすべきものと、コントロールしにくい(あるいはできない)ものがある。マーケティング戦略に限らず戦略が失敗する時は、知らず知らずのうちに自分たちでコントロールできないことに多くの経営資源を投入してしまっているパターンが非常に多くみられる

・問題のあるビジネスのたいていはプレファレンス以前に、「認知」「配荷」にわかりやすい大きな問題がある。認知を伸ばすこと、そして配荷率を伸ばすことは、一番わかりやすくて確実性の高い勝てる戦なのである。

・Mは選ばれる確率そのものである。消費者を区切ってターゲティングすることはMを増やすためであって、決して自社ブランドのMを狭めるためではない。ターゲティングや差別化などの手段が先に立ってしまって、大切な自社ブランドMを不必要に狭めてしまっていることが多い。自社ブランドの市場全体における魅力度(プレファレンス)を拡大するのが目的であって、ターゲティングはそのための1つの手段に過ぎないのである

・プレミアム・プライシングには大きなリスクが伴う。例えば、シャンプーや洗剤のような消費財のカテゴリーでは、リーディング・ブランドに対して2割以上ものプレミアム・プライシングを行うときには、消費者にとって割高感が突然顕著になる傾向がある。競合よりも高い値段をつけてビジネスが成立しているということは、それだけより多くの付加価値のあるブランドとして消費者に支持されているということである。つまり、ブランド・エクイティーが価格のマイナス影響を跳ね返すほど強く、プレファレンスが成立していることだからである。

・プレミアム・プライシングは正しい。消費者を継続的に喜ばすために必要な原資を獲得するためには、プレミアム・プライシングでないと難しいからだ。製品パフォーマンスの継続的な改良、ブランド・エクイティーの継続的な強化、それらには投資が必要だからである。「消費者と企業は、プレミアム・プライシングや値上げによる果実を共有している」

・人間はデフォルトに従う傾向が強い。できるだけ意思決定などをしたくなくて、独自の判断などをしたくないということである。人間は判断や意思決定をできるだけ避ける生き物である。

・戦術家は・1、自分自身の時間をどこに集中して使えば戦果が最大化するか・2、自分以外の人々をどこにどう集中させて使えば戦果が最大化するか、この2つを冷静に考えるのである

・調査は主に仮説を生み出す「質的調査」と仮説を検証する「量的調査」にわかれる。質的調査には、消費者の観察、訪問インタビュー、1対1のインタビュー、フォーカス・グループインタビュー、などがある。量的調査には、カテゴリーの商品の使用実態の調査、製品パフォーマンス・テスト、商品名のテスト、商品が市場に出てからの消費者の使用率と現実の商品評価の調査、などがある

<感想など>

難しい計算式などもたくさん載っていましたが、今まで自分ルールなどに書き込んでいたことの復習になった気がします。KFSを達成するには、商品の内容、質が重要になってくると考えています。商品の内容、質はプレファレンスにも直結してくると思いました。その商品選びを最優先で現在活動しているので、これは正しい行動、判断なのではないかと改めて思いました。

また、付加価値をつけ、市場の価格よりも高く販売することについてのメリットもはっきりとわかりました。展示会などでは市場の妥当な価格といった理由で商品価格を決めているケースがよくあります。地方の小さいメーカーが大手大企業の価格に合わせて販売するということは、なかなか難しいと思います。USJがテーマパークの企業を代表して、入場料金の値上げを決行し、市場全体の値上げを牽引したように、フォーチュンファクトリーでも、魅力ある商品なのに薄利で販売している会社だったり、商品の発信方法がわからない会社の、解決手段の一つになれるように頑張りたいと思いました。

※私がこちらで紹介している本は、起業家の方には特にオススメです。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。