<勉強になった内容メモ>
・「財務計画」株主、銀行、税務署などの社外関係者に情報を伝えるための会計
・「管理会計」原価計算書や事業別損益表などのように、経営者や管理者等の社内関係者に情報を伝えるための会計。ビジネスの現場では財務会計と管理会計の区別なく資料を作成したりする。
・会社の会計は複式簿記である。個人は単式簿記である。
一年間で締め切って二つの決算書を作る。「貸借対照表」「損益計算書」である。
貸借対照表(Balance Sheet=BS)は一年間の期末日(決算日)におけるプラスの財産(資産)とマイナスの財産(資産)の状況を表し、それらを差し引いた純資産(資本金)を表したもの。つまり会社の財務状況を表している。一年間で毎日のように増減があったうえで期末日の残高(ストックした金額)だけが表される。
・損益計算書(Profit anb Loss Statement=PL)は期末日までの一年間の収益(売上高など)と費用(売上原価、販売費及び一般管理費など)を表し、それらを差し引いた利益も表している。一年間に毎日積み重なってきた合計金額(フローの累積金額)が表される。この二つのほかに、キャッシュフローに注目し、営業活動、投資活動、財務活動の三つの動きを表した「キャッシュフロー決算書」(Cash Flow Statement=CF)という決算書がある。一年間に積み重なってきた現金の増減額と残高が表される。上場企業でよく登場する。中小企業ではあまり登場しない。その代りに「資金繰り表」というものを作る。二種類ある将来の計画値を示したものを「資金繰り予定表」過去の実績を示したものを「資金繰り実績表」と呼ぶ。
・利益がプラスになることが重要。借入金が多く利息を支払っているときは経常利益に注目し。そうでないときは「営業利益」を重視する。
・営業利益とは、売上総利益(粗利=売上から原価を引いたもの)から販管費(一般管理費)人件費、家賃、水道光熱費、宣伝広告費などを差し引いたもの。
・損益構造を見るときは、金額だけではなく粗利率がとても大事。粗利率は前年比で1ポイント減っただけでも大きな影響を与える。少しでも粗利率を上げる工夫をする。売値の再考、商品構成の見直し、原価構成の見直し、仕入れ先と値下げ交渉をする、仕入れルートを変えるなど。
・売り上げの回収条件をなるべく早くし、仕入れや経費の支払条件をなるべく遅くすることが大事。
・「電子記録債権」手形や売掛金をたんに電子化した物ではなく新しい手段である。電子債権記録機関の原簿に情報を記載すればインターネットを通じて債権を売買でき分割して譲渡することもできる。手形だと作成や保管にコストがかかり、分割できないなどの問題がある。
・借入金はなるべくゼロにするのが理想。しかし、正常な運転資金や成長のテコにするための設備投資資金などで「計画的」に返済できる範囲なら問題ない。無謀な借り入れや借りすぎ、計画性のない借り入れは注意が必要。
・変動費と固定費
小売業や卸売業では外から仕入れた商品(売上原価)は売り上げに比例するので変動費。
・販管費のうち、荷造運賃(ダンボール、ガムテープ、クッション材など)、配送料、販売手数料、販売販促費など売上に比例する費用は変動費である。
・販管費のうち、人件費、減価償却費(機械設備など企業が長期にわたって利用する資産を購入した場合その購入額をいったん資産として計上した後、当該金額を資産の耐用年数にわたって規則的に費用として配分される金額)、家賃、賃借料、リース料、設備費などは固定費である。
・一般的には人を雇ったり、部屋を借りたり、設備を維持するための費用は、売上がゼロでも発生するので固定費と考える。
・不当な値引き(不当廉売)は独占禁止法で禁じられている。採算を度外視した安売りでお客様を獲得しようとするのは適正な競争を乱すということ、正当な理由がなければ異常な値引きはしない。
<感想など>
キャッシュフローの大切さ、改善策のポイントも詳しく載っていて勉強になりました。損益分岐点の計算方法やほかの計算方法の例が載っていてわかりやすかったです。他にも、粗利を少しでも上げる工夫することにより、どれだけ一年の売り上げが変わるのかなど、例えがたくさん載っていたのでより身近に感じることができました。計算方法など今後に活かしていきたいです。
※私がこちらで紹介している本は、起業家の方には特にオススメです。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。