17才だった2016年の8月に本格的に起業の準備を始めました。とにかく勉強しながらやるしかありません。準備をしっかりしようと、でも、いつまでも準備だけをしていても仕方がないと思いながらも、とにかく勉強を始めることと、展示会などに行くことからスタートしました。そんな私が起業の準備をしてきて感じたことを書いてみます。その方が自分の考えもぶれないと思うので、自分のためにも書いておきます。

ミステリー通販「フォーチュンボックス」を思いついたきっかけ

 友達の家には、月に一度、実家の家族から仕送りが送られてくるそうです。友達は「毎月何が入っているのか楽しみなんだよね」と話していました。私には、仕送りが送られてきた経験がないので結構うらやましかったです。

 自分が起業をしようと具体的に考え始めたとき、ある人にいろんな質問をしてもらいました。「何が好き?」「お金が稼げたらどんなことでもいいの?」「やりたいジャンルなどはある?」「だれみたいになりたいの?」「不安に思っていることは?」「何かうらやましいと思ったことはない?」など。本当に質問上手で、私の言うことを否定せずに、ずっと質問を続けてくれました。矛盾するところも鋭くツッコミを入れてもらいました。その質問に答えているときに「仕送り」のことを思い出したのです。

 そして、仕送りを開けるのは楽しい!これを通販にしたら結構楽しいビジネスになるかも知れない、人に喜んでもらうのが好きな自分に向いているかもしれない。そう思ったのがきっかけで、試行錯誤した上で、「フォーチュンボックス」を企画して、販売することになりました。ちなみに「フォーチュンボックス」事業が落ち着いてきたら、仕送り代行なども手がけたいなと思います。

 「フォーチュンボックス」とは、「何が入っているかわからない幸運を運ぶ箱」であり、実際にお客様に通販で注文いただいてから、お客様のご自宅に届いて、開けられたときにはじめて、中身がわかります。注文するのに、わくわくと同時に少しの勇気を必要とする通販、つまり中身がわからない「ミステリー通販」です。開ける楽しみ、知らなかった製品に出会う楽しみを多くの人に感じて欲しいと思います。ご家族そろって楽しんでいただくことができます。

18才で起業した理由

 17歳の時、起業家を紹介するテレビを見たときに視野が広がりました。私は小学校六年生くらいから将来の夢は自分で飲食店を経営することだ、と考えていました。中学校卒業後、当初の夢である飲食店経営の夢を叶えるために上京し、パティシエの専門学校に入学しました。ですが、アルバイトをしていると現場でお客様と接しながら働くのが楽しく、その製菓学校に三年間通い続けるのか悩み、一年の夏休み明けにはその製菓学校を中退しました。

 それからは飲食店などでアルバイトをしながら、どうしたら飲食店経営うまくいくのか考えながら生活していました。飲食店を始めるには、ある程度開業資金や運転資金も必要だな、なんて思っていたとき、お店のお客さんで起業家として成功している人たちの仕事の話、年商などを聞いていたら、私もこんなことしてみたいな、カッコいい、と思うようになりました。ネットビジネスなら自宅でも可能だし、低コストで始められる!そこで成功して飲食店をオープンしても遅くないし、むしろ色々な勉強ができて楽しそうと思えたのです。それから、たくさんの本など読み、先輩経営者のアドバイスももらいながら、18歳で起業することを決意しました。

 まさか私がビジネス書をこんなに読むなんて、本当に思いもしませんでした。ですが、最近はビジネスの用語がどんどんわかってきて、楽しく読めるようになってきました。わからないことはググればいいですし。高校にも行っていない、ほとんど中卒の私ですが、絶対に18才で起業してよかったと思えるようになりたいと思います。

どんな会社にしていきたいか どうしたいのか

 今後の目標は、フォーチュンファクトリー、フォーチュンボックスの認知度を上げていき、たくさんの人に利用してもらい、毎月の必要経費以上の利益を稼ぎ、事業として独り立ちさせることです。クラウドファンディングなど、使える物は遠慮せずになんでも使う!という気持ちで取り組んでいきます。

 フォーチュンボックスによって、お客様の生活にワクワクをプラスすることができたらと思っています。通常の買い物では得られないドキドキワクワクがあります。新しい物に出会える、役立つ、学べる、そして、お得。「新しい物に出会えた!」でもいいですし、その商品を通して「家族との会話が増えた!」「興味がなかった街に旅行に出かけてみた!」など、何かのきっかけになったり、「買ってよかった!」と心から思ってもらえるようにしていきたいです。

 そのためには、「ここで購入した物はまず間違いない!」「また、フォーチュンボックスを買いたい!」「プレゼントしたい!」そんな風にお客様に思っていただけるような会社にしていきたいです。

 メーカーさんにとっては、「お客様に商品や作り手の魅力、こだわりを最大限伝えてくれる会社だ」「是非ここに卸したい」と思っていただけるようにしたいです。そして、いろんなメーカーさんの力を借りて、オリジナル商品も企画して販売していきたいです。メーカーさんからすると、長期的な目で見ればきっと利益が出ます。当社には、普通よりは安く製品を卸していただきますが、今まで知らなかった新しいお客様に製品の良さを味わってもらうことができます。製品の魅力をさまざまな方法で紹介したパンフレットも当社が作りますので、自社のPRツールとして使っていただくこともできます。メーカーさんの宣伝やPRのお手伝いもします。お客様の声も当社が集めて、メーカーさんにお届けします。

 実際の経験を積みながら、ビジネスについて本やネット、人に聞きながら学んでいきたいです。知識がないことを悲観的にとらえるのではなく、ちゃんと準備をして、普段人がためらうようなことを常識という枠を超えて、良いと思ったら行動実践していきたいです。不手際や間違いなどの指摘を受けた場合は素直に聞き同じことは二度言われないように次に生かし日々成長していきたいです。

 生意気と思われるかもしれませんが、このビジネスを私が行うことによって、若い人たちが起業への一歩を踏み出しやすくなればと思います。私の起業までの不安や疑問は、他の人も少なからず考える事だと思います。「起業してみたい!けど何をどう始めればいいの?」そんな人に、私の経験などを生かし、何かしらの貢献ができるようにしていきたいです。

今後の課題

  1. 全国の商品を集めるためには、私一人では無理があるので、全国に私の代わりに探してくれる信頼できる人を探す。情報を今よりも効率的に集められるようにする。
  2. 商品に同梱する説明新聞(独自パンフレット)の内容を、有名なライターの方にお願いできるように実績作りとオファーの手紙を送る。
  3. ファンとしてリピートしてくださるお客様を増やす。飽きられないように工夫し、毎回クオリティを上げていけるようにする。
  4. メディアなどを駆使し、大ヒット商品を作り上げる。プレスリリースなど、とにかく書いてみる。
  5. 何が入っているかわからない「ミステリー通販」というジャンルに、他の企業にも参入してもらい、それなりの規模のカテゴリーにする。そのために、売れた!という実績をつくる。

経営についての学び、思い

 ネットビジネスについて、私は頭がいい人じゃないとできないと思っていて、元々敷居が高いと感じていました。また、起業は最初から最後まで、全部一人でこなしていくと思っていました。でも、そんなことはなく、自分の得意とするところをしっかり行い、苦手とするところは得意な人に外注するといった対応もできます。全部自分でこなして中途半端になるよりは、そのビジネスの成功要因をしっかり考え、自分は何をして、何を他人に任せるのかを決めることが大切だということがわかりました。苦手なことに時間をかけても、得意な人にはクオリティも時間でも勝てないので、任せる大切さを学びました。

 計画的に、起業までのステップを踏む、準備の大切さも学んでいます。起業して数年後に残っている割合はかなり低いと言われていて、その中に入るためにはどんなことを行えばいいのか。成功した人たちの経験をどれだけ自分に生かし、応用していくことの大切さも日々学んでいます。でも、成功本には本当のことは書かれていないという人もいて、混乱していますが、実際に経験を積んでいくしかないと思っています。

 人生でこんなに本を読んだのは初めてです。マーケティングや集客、販促の本、企画書作成本から敬語の本まで、読んでいると、私がもし飲食店をオープンしていても確実に閉店していたと確信しました。このネットビジネスの勉強は飲食店オープンにも役立つことが分かり、どんどん意欲的にもなりましたし、本を読むことはこんなに楽しく勉強になるのか、と初めて実感しました。分からないことがあれば、ネットで調べたり、本を読んでみたり、情報や学ぶ手段はたくさんあるものを有効活用したいです。

 展示会などにも積極的に参加しています。東京にいられることはありがたいです。最初は緊張していましたが、最近は、どんどん質問などしていけるようになってきました。経験は足りないかもしれませんが、「え?社長さんですか?若いですね」と言われることもさすがに多いですし、いろんな情報をもらえるし、応援してもらえることもわかってきました。その応援を生かせるかは私次第ですが。

 まだまだ未熟でバカな私ですが、素直さと行動力と、ときどき思い出したように出てくる愛嬌など、使える物は何でも使って、結果を出していくつもりです。みなさん、お互いにがんばりましょう!