<勉強になった内容メモ>
・時短カレーが成功しない理由。実際にカレーを作るときは少し時間と気分に余裕があるときや夜の帰りが遅くなる予定がある場合に朝からあらかじめ煮込んでおくものである。生活の接続点で早くしなきゃと焦りの気持ちあがるときにはそもそもカレーは選ばれない。生活シーンの接続点における気分の転換の仕方に耳を傾けていればわかることである。

・インタビューの最大の目的は生活日記調査から発見された、人と商品の関係を深堀りし、その理由を把握することである。さらに重要なポイントは、なぜ別の行動をとらなかったのか、別の商品を使わなかったか。とられなかった行動の理由こそ、定量調査や通常のアンケートでは最もつかむことが難しい事柄。

・基本的に人間はマイナスの未来に対する投資はしない。バリアフリーにリフォームすることや、コンパクトな住まいに住み替えるなど、これは論理的には正しいが、生活者はなかなかその選択肢を選ばない。バリアフリーが選ばれているなら、三世代のユニバーサルニーズと見たほうが良い。

・浅く見れば、若いママは包丁を使わず、インスタント食品や買ってきた惣菜ばかりという偽りの仮説が出来上がってしまう。本当は、包丁を使わず、便利グッズやIHのタイマーなどを使い手作りしているママが多い。偽りに惑わされ、正しい判断をしないと売れない商品を作り出すことになる。顧客ニーズの把握を誤り、読み間違えると大きな損失につながる。

・定量(多数)調査のアンケートより、一人の人の生活を追い、「どうしてこれを、このタイミングで選んだのか」「どうしてこっちは選ばないのか」などの、気分や心境などを詳しく探ることで正しいニーズを見つけることができる。

<感想など>
定量調査は曖昧なものが多いということが分かりました。何十個もの問いがあるアンケートでは、適当にやっていると思われたくない、という心理でわざと他に丸を付ける場合だって考えられます。そのアンケート結果を鵜吞みにするのではなく、参考にしつつ、もっと細かく分析することも大切。ということを学びました。

※私がこちらで紹介している本は、起業家の方には特にオススメです。興味を持たれた方はぜひ読んでみてください。